general issues

美術とか映画の見学後所見など(記録用)

ジョナサン・クレーリー 「観察者の系譜」その1

古典的視覚・ルネッサンス的視覚 / 19C 20C のモダニズム的視覚の間に、生産・認識・欲望の能力についての変更があり、根本的に切断されている。

 

それはモダニズム神話の中の「写真」に帰納できるべきものではなく、身体と社会的権力の作用をめぐる問いであると。

 

「観察者 observer」

①能動的に「見る」

②定められた可能性の枠内で見る

③convension や限界に埋め込まれた存在である

→社会や制度の枠内にしか「観察者」というのは存在しない。

そして19cの諸条件・力が、その19c観察者の輪郭をかたち作ったと言える。

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色彩のはなし

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Yasuko Toyoshima Web Site | WORKS / 色調補正

 

◯世の中には『正しい色』と『正しくない色』がある。

正しい色は一定の環境でしか得ることができない色である。5000K(ケルビン)で500~600lux(ルクス)程度の環境がその一定の環境にあたる。(便宜的にその環境をグラフの原点と設定し、『原点環境』と呼ぶ)

印刷メーカーやグラフィックデザイナーの色校正はこの環境下で行う必要がある。

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【資本空間】豊島康子 鑑賞後感

【概要】

資本空間 – スリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸 vol.1豊嶋康子

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画像:gallery αM

 

豊島康子さんの展示について

◯展示はアンカーを題材に、前回のパネルのシリーズを発展させた。 

【ギャラリーの正面性と作品の正面性への否定】

◯ギャラリーに入ると、作品が壁や柱によって巧妙に隠蔽され、一見作品がどこにかかっているかわからない状態。 

◯ギャラリーは『キューブ』ではあるが、入り口がある限り非対称性が生じる。入り口から一番正面の壁(ギャラリーに入った人間が一番最初に目にする壁やスペース)はいわばヘッドラインで、つまりはギャラリーの一番価値のある壁になる。
ギャラリーの一番奥の壁もしかり。

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